「司法書士にできること」といえば、頭に浮かぶのは業務のことですね。登記申請や訴訟代理、供託など、それらは大変重要です。しかし、その業務は決して事務的に進められるものではありません。業務自体は書類を作成したり、提出したりと事務的です。しかし、依頼人にも司法書士にも心があります。司法書士のところに訪れる依頼人の多くは幾多の困難を抱えています。つまり心を痛めた状態で訪れます。それは軽いものから重いもの、中には身体的症状が現れるほどの心の病を抱えている方もいるでしょう。そのような依頼人たちと向き合い、対応する司法書士もまた人間です。これから依頼人の相談に応じた業務を行う上でやはり、依頼人の心の傷に気づくということは重要なことです。完全に理解することは無理ですが、気づくことで依頼人を受け入れる間口が広がります。司法書士の心の間口の広さを感じた依頼人は多少なりとも安心感を得ることができますし、信頼も置くことができるでしょう。司法書士のところへ訪れる前に自殺を考えた人もいるかもしれません、また既に自殺未遂をしてしまった人もいるかもしれません。司法書士が心身症について少しでも知識があれば、対応も変わってくるでしょう。自殺予防にもつながります。医学的助言はできなくても人間としての助言で人は救われることもあります。「司法書士としてできること」はこういったところにもあります。命を失う前に自分のところに来てくれてよかった、と依頼人に伝えることができる司法書士は必要とされるのではないでしょうか。